露草
513 文字1,108 打鍵0 確定執筆 11分

いつか子供だったあなたへ

「お父さんたち離婚しようと思うんだけどどう思う?」

あの頃のたくさんのことを忘れても、その言葉だけはきっと消えないと思う。

そこまで深く考えずに言ったのかもしれない。父の中で、まだ少し踏ん切りが付いていなかったのかもしれない。

「その方がいいと思うよ」

笑顔で言ったつもりだ。私はあの時、上手く笑えていただろうか。私が「嫌だ」と言ったら、何か変わっていたのだろうか。

もちろん、離婚したことを悲しんでいるわけではない。人と人には適切な距離があって、両親は離れるべきだったと思う。

何が言いたいかというと、子供は子供なりにたくさんのことを受け止めて、伺って、悩んでいるということだ。

私は父がしていた物への八つ当たりも、理不尽に怒る様子も印象深くない。ただ、明確に思い出せるのはあのときの言葉。

お父さんへ。

私がどれだけ悩んだか、あなたは知らないでしょう。あのときどうしたらよかったのかと、ひとり考える夜も知らないでしょう。

おとなのみなさんへ。

いつか、子供だったみなさんへ。

どうか、子供に親の選択の責任を、かけらでさえも背負わせないでください。

それが優しさだと思う、その優しさが欲しかったあのときの私からのお願いです。

でポスト
感想を送る

送ると執筆リプレイが見られます

露草
@user_acdeb0cf1a39
いつか子供だったあなたへ — ヒトモジ