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いつか子供だったあなたへ
「お父さんたち離婚しようと思うんだけどどう思う?」
あの頃のたくさんのことを忘れても、その言葉だけはきっと消えないと思う。
そこまで深く考えずに言ったのかもしれない。父の中で、まだ少し踏ん切りが付いていなかったのかもしれない。
「その方がいいと思うよ」
笑顔で言ったつもりだ。私はあの時、上手く笑えていただろうか。私が「嫌だ」と言ったら、何か変わっていたのだろうか。
もちろん、離婚したことを悲しんでいるわけではない。人と人には適切な距離があって、両親は離れるべきだったと思う。
何が言いたいかというと、子供は子供なりにたくさんのことを受け止めて、伺って、悩んでいるということだ。
私は父がしていた物への八つ当たりも、理不尽に怒る様子も印象深くない。ただ、明確に思い出せるのはあのときの言葉。
お父さんへ。
私がどれだけ悩んだか、あなたは知らないでしょう。あのときどうしたらよかったのかと、ひとり考える夜も知らないでしょう。
おとなのみなさんへ。
いつか、子供だったみなさんへ。
どうか、子供に親の選択の責任を、かけらでさえも背負わせないでください。
それが優しさだと思う、その優しさが欲しかったあのときの私からのお願いです。